7/13(火)に、あいち女性起業家・経営者支援プログラムCOMPASS 2021【第2回ブラッシュアップ・セミナー】を開催しました。
はじめに、前回のふりかえりとこの1週間をどんなふうに過ごしてきたか、近くの席の人同士で共有しあいました。10分では足りないほど盛り上がり、あらためて自己紹介タイムをつくり近くの席の人同士で自己紹介をしあう時間をつくりました。
第2回のテーマ「あなたが提供できる価値を探る」では、メンターの柴田朋子さんから、前回は事業理念を考えました。事業理念を考えるときは自分自身の内側と向き合っていただきましたが、きょうは「あなたが提供できる価値を探る(提供価値)」というテーマなので、外(世の中)との対話をしながら、自分が提供できる価値がなにかを考えていきたいと説明がありました。
柴田さんのキャリアコンサルタントの仕事を事例に挙げながら、「あなた(御社)の資源(強み・特色)」「あなた(御社)から買う理由(提供価値)」について紹介していただき、個人ワークでワークシートに書き込み、近くの席の人同士でシェアする時間をつくりました。
つい、資格を更にとったり新たに勉強をはじめたり、ホームページをよく見せたり、「乗せて」いきたくなる。だけど、「いまのあなたが持っているものの中で世の中のお役に立てるものってなに?」に気づくことが大事。上手なシェフだと一般家庭の冷蔵庫の中身でおいしいフレンチを作ってくれる。そんな感じで、みなさんの冷蔵庫に入っている素材は意外といい味しているかもしれない。「お客さまは、なぜあなたから買いたいのか?」そこを考えてほしい。
わたし(自社・商品・サービス)がもってるストーリーが、お客さまにとって必要だと思われる。信頼できると思われる。そう思ってもらえるために、思考をまわしてほしい。どれだけまわせたかで、相手にスッと届く言葉になる。世の中との対話は永遠につづく。世の中のニーズは変わっていくし、わたしが気づいていない価値をお客さまが気づいてくれるということもあるかもしれない。そうしていくうちに、自分の領域が広がっていくこともある。相手がなにを求めているかを聞いて、自分がもっている資源をアップデートして、提供して、というのをやり続けていく。そして、広がりすぎたら、第1回目の「理念」に立ち戻って、わたしが本当にやりたいことはここだったんだに気づくことが大事と熱弁をいただきました。
話題提供では、愛知県 観光振興課 渡邉 亨介 主査に起こしいいただき、あいち観光戦略2021-2023の取り組みについてお話いただきました。愛知にとってはこの先数年、インパクトのある出来事がつづきます。今年のオリパラ、来年の秋にはジブリパーク一部オープン(23年がフルオープン)、25年は大阪万博、27年にアジア大会。そして、28年リニア開通予定です。
あいち観光戦略の目的には、「魅力ある活力に満ちた地域社会の実現及び、県民生活の向上」に向けて、観光関連産業の振興を図る。を掲げている。つまり、交流が目的ではなく地域の魅力構築を目的にしているのでもない。ずばり「産業振興」。経済対策を明確に打ち出しているところがポイント。ものづくりあいちにおいては、観光=お遊びとらえる人もいて課題感をもっているが、観光は幅広く、一次産業、二次産業、三次産業を横断するのが観光。観光を「業」としてとらえるのではなく、「手段」としてとらえて欲しい。
いまは旅前の段階から旅後まで、ほとんどすべてがスマホで終わる。紙のパンフレットをつくって駅に置くというやりかたが通用しなくなっている。デジタルの中に人がいるので、そこに情報をだしていくことが求められている。そこで打ち出したコンセプトが『あいち「ツウ」リズム 』。これからは、じぶんの趣味の充足や知的欲求を満たす、じぶんの幅をひろげたいというところに旅行が生かされていく。武将や旧街道、花などをもっている愛知はこれからの旅行のチャンスを迎えている。
これまでは誰が見るかわからないパンフレットを駅においていたが、これからは武将が好きな人にダイレクトにつながるように情報をだしていくなど考えている。お客さまにとっては市町村の境界はあまり意味をもたないので、自治体の境界を超えてつながるなど推進していきたいと紹介がありました。
あいち観光戦略 2021-2023
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/317232_1228154_misc.pdf
先輩起業家トークでは、COMPASS 1期生の佐治真紀さん、2期生の森川美保さんをお招きし、COMPASSにエントリーしたときの状況やその後の変化、COMPASSではどんな出会いがあったかなどを伺いました。
もりりん’ず(有限会社 泉企画)代表 佐治真紀さん(1期生):
木の皮を剥くという体験型の旅行を提供しています。まちづくりの仕事もしており、日進市の事業の「冷やし旅」のお手伝いもしています。わたしの場合、ワークとライフは区別がないので、同じチームの参加者と息子の学習のことでお世話になるなどご縁を結んでいただいた。アウトドアつながりで同期のイベントに参加したり、同期のプロジェクトに一緒に取り組んだりしている。スケールアップ・シートはいまでも見返しています。「書けば叶う」は本当です。書くのには悩みましたが、頭に汗を書きながらみなさんも書いてみてください。
季の野の台所 森川美保さん(2期生):
わたしは家庭科が原点。本業は農業体験。大豆と麦と米の3つしか作っていない。家庭菜園が嫌いなので野菜は作っていない。手作りみそや手作り醤油を作っていただく体験を提供している。作る人と使う人の垣根が嫌なので、みんなに作ってもらっている。その他に、美浜町のマラニック(マラソンとピクニック)の企画に関わっていたり、蚕(シルク)を飼って糸や布にする事業、うみのようちえん事業にも関わっている。いろいろやっているように思われるけど、「家庭科」一本で事業をやっています。
COMPASSに入ってみてどうでしたか?
- 事業がうまく行っていなかったからです。ひとりで旅行業をやっていたが、他の人の話を聞いたり、他の人がどのようなことに悩んでそれを克服しているのかなどを聞いてみたくて入りました。入ってみて、いろんなバランスを持った人たちがいて、わたしの場合は仕事と家族は切り離せないバランスなので、家族のことも話し合える仲間に出会えました。
- いろいろなメニュー(事業)をつくりすぎて、まとめたいなという思いがあった。食べる人がメニューをみてこれにしようとパッと決めてもらえることが大事だと思っていたので入ろうと思った。いまクラファン中のキャンプ事業はCOMPASSのに参加したことで生まれたメニューです。
最後に一言
- この後、ブラッシュアップセミナーのあとエントリーシート書いてアクセラに進むと思いますが、ここは、大学受験をするための塾だと思って、最後まで(アクセラレーションプログラム)に進むつもりで、自分で考えて言葉にしシートに落とし込んでぜひエントリーしてください。楽しいことも大変なこともあると思うけど、きっといい経験になると思います。がんばってください!
- 起業家としてこの場にいらっしゃると思う。起業家はご自身で決めることができる。やることもできるし、やらないこともできる。結果が良くても悪くてもやったことは無駄にならないと思うので、ぜひ出してみてください。めちゃくちゃ厳しい時間がが待ってるかもしれないけど、うまくいったときはもちろん、うまく行かなかったときも、うまく行かなかったことが明確になるので、ぜひやれるものはやってみてください。がんばってください!
参加者の声
- ツウリズムのわたなべ講師の話は、目的やターゲットの定め方や、枠を越えたつながりの可能に希望を感じました。
- グループセッションをする時間を多く設けていただけて、他業種の方々の考え方を、多方面から聴く機会があり勉強になりました
- メンターの柴田さんの起業するまでのお話が特に印象に残り、大変参考になりました。
- 前回の理念の再検討に続き、お客様から選ばれる理由を再考することができました。ツウリズムのお話も別事業の大きなヒントとなりました。
- 今日のお話全部に共通して、視点の持ち方が大切だと感じました。どこにチャンスがあるのか?わからない、そこを見逃さないこと、探しだせること、気づくことができることが大切だと感じました。
- 「自分が提供できる価値は案外自分では気づいていない」という言葉が印象的でした。
- 「上に重ねることを考えがちだが、まずは私のリソースを考えることが大事」という言葉がとても印象に残りました。事業継続を考えていくとどうしても資格取得や勉強することを考えてしまいます。しかし今の自分のリソースが何か確認し、それに対してプラスするのかを考える事が大事だと思いました。
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あいち女性起業家・経営者支援プログラムCOMPASS 2021
第2回ブラッシュアップ・セミナー
日時:2021年7月13日(火)10:00-12:00
会場:愛知県産業労働センター(ウインクあいち)18階 会議室
テーマ:あなたが提供できる価値を探る
話題提供(愛知県の取組):観光「あいち「ツウ」リズム」
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/317232_1228154_misc.pdf
先輩起業家トーク:佐治真紀さん(1期生)、森川美保さん(2期生)
参加者:30名、ビデオ受講:6名