[開催レポート] 10/25(月)【スローでつづく、つながる、サスティナブルなビジネスの続け方】 NAGOYA WOMEN STARTUP LAB. オープンセミナー

10/25(月)に、NAGOYA WOMEN STARTUP LAB. 2021 オープンセミナー【スローでつづく、つながる、サスティナブルなビジネスの続け方】を開催しました。ゲストにSlowCoffee 代表の小澤陽祐氏をお招きし、サスティナブル・ストーリー株式会社 代表取締役の中島康滋がナビゲーターを担当しました。

はじめに、小澤さんからスローコーヒーについてご紹介いただきました。千葉県松戸市に本社を置き、営業・商品開発拠点は岐阜県郡上にあり、小澤さんは二拠点居住をされているそうです。フェアトレード商品は原価が高めなため、量販店さんよりは質で勝負している百貨店や高品質スーパー、飲食店など全国約350件へ収めているとのこと。

大切にしている3つは「オーガニック」「フェアトレード」「自社焙煎」。創業当初の20年前は、オーガニックもフェアトレードも認知がなく、お取引先にオーガニックコーヒーを持っていくと「オーガニックコーヒーはおいしくないんだよな」と言われる時代だった。

2000年というとスターバックスが日本に展開してきたころで、飲んで美味しくないと売れない。美味しいコーヒーをつくろうということでスタートし、順番を変えて、美味しいコーヒーを先に考えるようにして、飲んでもらったらオーガニックのコーヒーだったと思ってもらえるようにした。

当時コーヒーはまだまだ男性が好むような渋いパッケージが多かった。でも、スローコーヒーを買ってくださる方は女性が多かった。そこで、気分があがるように華やかなパッケージにして、プレゼントしたときにも、もらってうれしいをコンセプトにパッケージデザインしている。

最近人気なのがカフェインレスのDECAF(デカフェ)。スローコーヒーが大事にしていることとして「お客様といっしょに成長していきたい」という思いがあり、20代からスローコーヒーを飲んでいるお客様が30代になり、妊婦さんや授乳中のかたから「デカフェはないの?」と聞かれることがあった。

そこで、カフェインレスを調べてみたら美味しくない、物足りないコーヒーが多かったので、試行錯誤の結果、おいしいデカフェのシリーズを開発した。

 

本日試飲していただいているコーヒーは、エクアドルで作っている「ちょっとすごいコーヒー」という商品です。なにがすごいかというと、普通は森を切り開いてコーヒーの木を植えて栽培するのですけど、それは自然界にとっては本当は不自然なこと。

エクアドルでは、森の中にコーヒーを植えて育てる「アグリフォレストリー栽培」を採用しているので、コーヒーのまわりに、バナナやパパイヤ、アボガドなどが原生するところでコーヒーを栽培している。日陰になることで高品質なコーヒーが栽培できるほか、バナナの実を食べに来た動物が糞をしたり、土砂崩れが防げたり、なにより、森を切り開かないので、森が守られるというメリットがある。

 

後半は参加者からの質疑応答にお答えいただきました。「コーヒーは競合が多いように思いますがどのように差別化されていますか」「イベントや展示会への出展の効果は?」「つながりの作りかたやコツが知りたい」「長いあいだ諦めずにできた理由をおしえてください」「多くの店舗を広げられた営業の仕方につい聞きたい」など、参加者からは具体的な質問がありました。

 

また、最近の取り組みとして、郡上のおいしい水をつかった「水出しコーヒープロジェクト」についてご紹介いただきました。いまでは水は買うものが当たり前になっているが、郡上では水は共用で公共のもの。街のいたるところに湧き水や井戸水があり、コーヒーを通じて水のことも伝えていきたいという思いで、プロジェクトをスタート。

ボトルと水出しコーヒーのパック、水のありかを示した地図をお渡しし、街を散策しながら、気に入ったポイントの水をめぐってもらう。2時間ほど街歩きをして帰るころには水出しコーヒーが出来上がり、お土産話とともに美味しく味わってもらうという計らい。

クラファンで資金をあつめ、プロジェクトがじわじわ広がり、上水と下水の真ん中の水(井戸水や湧き水)を知っていただくいい取り組みだと地域の人々からも受け入れてもらえるようになってきた。新しい展開として、郡上の街なかにある宗祇水(そうぎすい)という場所に、リアル店舗として水出しコーヒースタンドを出す予定。

◯郡上発!水出しコーヒープロジェクト

https://gujolife.com/interview_pj9/

最後に一言

コロナでなかなかでかけにくいですが、ぜひ郡上にコーヒーを飲みに来てください!

 

参加者の声

  • 事業はが人と社会、世界と広く繋がって社会課題を解決しながら前進している事に改めて気付かされた。知らない世界と現状がある事が衝撃だった。
  • 一般的に持たれている価値観や固定概念をユーザーに寄り添って変えていくこと。長く続けることで時代がついてくることもあることというお話が印象的でした。
  • 郡上の水に着目され、それを地域活性や歴史、街歩きなど、周りのwinと自分が出来ることが合わさると、みんなのwinになり大きなインパクトになるというお話が勉強になりました。
  • 美味しいをまず実現させる。何が消費者にとって大切なのかをシンプルに行動されているのが、改めて自分の抜けているところだな、と感じました。

 

—–

NAGOYA WOMEN STARTUP LAB. 2021 オープンセミナー
タイトル:第7回  スローでつづく、つながる、サスティナブルなビジネスの続け方
日時:2021年10月25日(月) 13:30-15:00
会場:リアルとオンラインのハイブリット開催
【リアル】ナゴヤ イノベーターズ ガレージ コラボレーション・エリア
(〒460-0008愛知県名古屋市中区栄3-18-1 ナディアパーク4F)
【オンライン】オンライン(Zoom)
ゲスト:小澤陽祐氏|SlowCoffee 代表
ナビゲーター:中島康滋|サスティナブル・ストーリー株式会社 代表取締役
申込者:17名
参加者:12名